2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

有斐学舎編エピソード2

前回、学生生活の中の記憶に残るアルバイトについての記述を展開したのであるが、一年中それにかかりきりの生活ではなかった。大学のゼミの仲間達とは映画やボーリング 麻雀、ドライブでもよくつるんで遊んだりしたし、文学の同人誌活動でも文章の出来を競い…

かくの如く、諸先輩たちの親身な”オモテナシ”に感謝しつつ小生の東京での生活はまずまず順調な滑り出しを見せた。明治・大正の雰囲気を色濃く残す建物も多少の古臭さは感じたがそれほど不便さは感じなかったが、大学での同人誌の友人たち7,8人を案内した…

さて、前回まで小生の癌闘病について重苦しい雰囲気の記述が続いたが、今回よりガラリと趣向を変えて半世紀近く時間を遡って、それ以降の人生に多大の影響を与えた東京での生活を振り返ってみたい。 昭和44年、高校を卒業して一浪後大学に入学し飛び込んだ…

4,5日後にやっと入院の運びになったのであるが、半信半疑というより、不信心には絶対の自信もつ小生がな・な・何と人智を超えた存在に対して薬の効果を祈ったのである。何と浅ましい奴なのだろうか。この数十年間、人に或いは社会に対して善行を施したこと…

何しろ、100人の肺がん患者のうち2,3人しかいない遺伝子的形質を小生が持っているかもしれなく、そうであればその新薬は劇的な効果を患者にもたらすという。そのデーターに裏打ちされた”劇的効果”という言葉のなんという蠱惑的な響きであったことか。少々下…

肺ガン闘病エピソード2

あれから丁度3年の月日が流れた。当時の担当医師の説明によると小生の癌の進行状況は前述のごとくであるが、すでに外科的手術により癌細胞を除去する段階は過ぎており、治療のための選択肢は限られているとの由。束の間訪れた静寂の中に確かにチェックメイ…

肺ガン闘病エピソード1

さて、初回にて小生の肺がん罹患についてさりげなく触れたのであるが、今回はそのくだりからスタートしてみたい。 ある日、朝目覚めた瞬間に喉の異常に気付かされた。喉の異物感が鬱陶しくてじれったかったが、几帳面な小生はまず母音の”ア”から発声を試みた…